「小林古径と速水御舟」山種美術館、「恐竜博2023」東京国立科学博物館

2023/5/20(土)

二日目。

まずは、朝起きたら軽く目を覚まそうとサウナへ。

そして腹ごしらえ。

成増駅構内の「文殊」成増店。

冷やし肉付きそば

成増駅から、東武東上線池袋駅へ。池袋駅から恵比寿駅へ。

本日の第一の目的地である山種美術館へ。

 

 

小林古径速水御舟山種美術館


山種美術館は近代以降の日本美術に特化した美術館になる。

小林古径速水御舟は、再興院展(1914年、大正3年)が開始されてから主に活躍した画家で、両者を比較することで大正~昭和の日本画の流れのようなものもうっすらと見えてくる。

まず速水御舟の「炎舞」を、見れたのが良かった。この「炎舞」みたいな写実的に昆虫を描いて、全体の構成では象徴性を感じさせるような作品が他にないと思ってたけど、作家の特性として同じことを繰り返すことは嫌だったみたいね。

それでも、「炎舞」(1925年)路線の作品として「昆虫二題 葉蔭魔手・粧蛾舞戯」(1926年)のようなものはあって、キャプションに「以降炎舞のような作品は書いていない」とあって納得した。

そして忘れてはいけないのは、速水御舟の「翠苔緑芝」(1928年)で、紫陽花の描写がなんとも言えなくて見入ってしまった。類型的に見えるんだけど写実的で、省略のうまさに味がある。左双のうさぎなんが本当に平面化、単純化されてるので、この対比がとても不思議。尾形光琳の「紅白梅図屏風」と同じような試みに思える。

他には渡欧後の墨を使った水墨画や、油彩による質感を強調した作品が良かった。

速水御舟の言葉として「梯子の頂上に登る勇気は貴い、更にそこから降りて来て、再び登り返す勇気を持つ者は更に貴い。」というのが、至る所で強調されている。そんな言葉に象徴されるように、生涯を通して画風が統一されておらず、それでありながら様々な画風で代表作と呼ばれるような作品があるという天才を感じることのできる展示になっていると思う。

小林古径は、現物見てもイマイチ特徴というか作家性と言えるようなものが掴めなかったんだけど、速水御舟と対比されると線にこだわった画家だというイメージが伝わった。歴史人物画というジャンル自体がなぁ、西洋画における宗教画のようなもので、題材となった文学・故事を知らないととっつきづらいのかもしれない。

なぜが小林古径の「弥勒」だけ写真撮影OKだった。

 

「恐竜博2023」東京国立科学博物館

続いて上野まできて東京国立科学博物館へ。

上野公園では結構な出店がでていて、そういえば週末にここに来たことはなかったなと思いだす。毎週こんなかんじなんだろうか? 

お目当ては東京国立科学博物館「恐竜博2023」。

普段読書会を行っているK氏と供に。

とにかく、家族連れが多く恐竜人気の高さがうかがえる。

ふと疑問に思ったのは生物の分類区分における「類」の扱いで、「科」の上にあるように展示内では扱われていたのだけど、当然生物の分類階級は「界・門・綱・目・科・属・種」であって、「類」なんてない。...ので、どのようなニュアンスで使われているのか調べたところ「網・目」くらいの区分で慣用的に使われているようでしたね。

予習として以下の書籍をあらかじめ読んでおいた。

この展覧会でも監修? してるのかな、真鍋真さんと山田五郎さんの対談本。

これで予習したはいいけど、恐竜の名前が脳みそに全然引っかからない...。

展示見てもすげーとしか言えない状態でそこはもったいなかったと思う。まぁ、こんな感じで「あの頃に知識があれば...」という後悔をできるように、博物館や美術館には経験として言っておくのだと思っておく。関心の種を植えているんですね。

以下、展示されていた化石群。

美術館になれていると、こんだけフリーダムに撮影できるのが新鮮。

その後は、常設展をだらーっと見て回る。

例のごとく疲労困憊でふだんからもうすこし散歩なりなんなりして歩く力を身につけねばと思って、帰途に就く。