「flat」青桐ナツ

 

1巻の発行日みたら、2008/10/10、かー。大学生のころからこつこつ集めて6巻くらいから放置してたんだな、これ。軽く検索したら、作者さんは現在は別作品連載中なれど健在っぽい。

自分が年取ったのもあってか、大分読み方変わってる。まず、小学校入学前の子を一人で放置していく主人公に結構イライラしている自分がいる。高校生でもそれはアカンぞ。

高校生の平介といとこの幼児秋君の交流を描く。秋君が内向的でなかなか自己主張しない子ながら平助の言動に対して、わかりやすく表情や態度がコロコロ変わるので、それにこちらも一喜一憂することになる。

↑こんな感じで秋君の表情の変化が見どころ。


チョットした発言が相手の負荷になったり、真正面から受け取るがゆえに過剰に喜んだりする子供への応対を、平介と一緒に否が応でも考えざるを得ないので、なんというか一緒に子育てでもしてるような感覚になってくる。

正直笑ったコマ。

 

そういった関係性が、友人同士や親子関係にも敷衍されていくので、コミュニケーションそのものの理想を探っていくような感触がある。それがとても繊細で、感情が遷移するたびにコマで切り取られるささいな表情の変化を味わうのが豊か。

全8巻とおして、だんだんと秋君も自己主張するようになっていくのと同時に、平介も平介なりに成長のようなものを見せるので、ありきたりだけど人が人を介して成長するお話としておススメ。