「そう言やのカナ」野村宗弘、「ちゃりんこちんぷい」玉置勉強/坂井音太

引き続き、積んでいた漫画を消化中。

とろける鉄工所」が話題になっていた時に、同作者ということで買った記憶がある。しっかり者の妻22歳と甲斐性のない夫37歳の夫婦もの。これだけ聞くと古典的でありふれたジェンダー観で古めかしい作品に思うかもしれない。実際のところ、キャラクターはそこらへんで悩むものの、作者の偏りみたいなのは特に感じない。

店員と客の立場で、ひとめぼれから1か月で結婚したという夫婦の馴れ初めや、作品全体で使われている広島弁(おそらく)があってか、なんだか懐かしいというか、現代の婚活やら恋活やらで騒がしい男女関係とは一味違った情が通底に見えるのが好ましい。

現代だと逆にこういう男女間をフィクションで描くのは難しいと思う。

 

 

ブルースを題材にした非常に珍しい漫画。当時、この作品内でもでてくロバート・ジョンソンの伝記漫画があったりと、なんかブルースが盛り上がっていた印象(気のせいかもしれない)。

題材はマニアックで面白いんだけど、いかんせん素材を料理しきれていない感じがいなめない。ブルースがでてくるといっても、演奏シーンの高揚感やブルースの面白さみたいなものは全然伝わってこない。