『原神』~4章第5幕「罪人の円舞曲」

ようやく、現在(2024/05/30)までに実装されているフォンテーヌ編の魔人任務をすべて終えることができた。4章6幕(ver4.7)の実装が6/5に予定されている。

魔人任務が一掃されて清々しい。

 

魔人任務

まずフォンテーヌに入ったところでいきなり水神フリーナからお出迎えを受けて、ファンアートなどから持っていて前印象が大分覆される。

放課後ティータイム」にいそうな、お菓子大好き!みたいなフワフワしたキャラかと...。なんか大仰な立ち振る舞いで浮きまくってるところを愛でられている人気者だという。どっかでこんなキャラ観たことあるぞ...と思うものの、思い出せず。なんかヘタレっぽいのは同じく『原神』のモナっぽいんだな。同系色でのオッドアイデザインというのはなんか新鮮。

思えば、物語の冒頭からこのフォンテーヌ編のテーマは明示されていたんだなと撮影したスクリーンショットを振り返っていて気付いた。

実際、本当にあったかどうかなんてどうでもいいの。舞台上で演じられている物語が素晴らしければ、それで十分。

虚実の皮膜を探らない、どんな実であろうともその作り上げた虚への敬意や感謝は全く損なわれるものではない。個人的には自明であるその真実を突き詰めて見せてくれるお話でした。そして冒頭から完全に底が見える演技をプレイヤーの前にさらすフリーナは、終盤においてまさにこのフォンテーヌ編の主人公たる人物だと大いに納得して終わるとは、この時には全く想像しませんでした。

 

そもそも「フォンテーヌ」というのも、なかなか面白い国で、水運が発達しているところや「ルキナの泉」という噴水が名物になっているところを見るに、ヴェネツィアを模しているのかなと思いつつ、正義の理念が強調されていたり、歌劇が発達しているところはフランスっぽいのかなと思ったり、推理小説が流行っているところはイギリスっぽかったり...と、既視感がありつつ、とても魅力的な国となっている。

あの読書が苦手なパイモンが...!

印象がガラッと変わったといえば、フリーナのほかにもう一人。それがナヴィア。

なんかいかにもお嬢様っぽい見た目から、ちょっとストーリーに絡んでくる類型的なサブキャラっぽいイメージだったんだけど、まったくそんなことなし! 多分、旅人とパイモンの次くらいにフォンテーヌ編の魔人任務に関わってくる重要キャラクターとなっている。実際、お嬢様なんだけど、殺された父親から引き継いだ民間組織をなんとか保持しながら、事件の真相を突き止めようと健気に調査を続けているという、薄幸のお嬢様だった...。絶対、「おーっほっほっほ」とか、傲慢な言動とかしなさそう。

4章のフォンテーヌ編はとにかくマップを探索させて、手に入れた手掛かりから何かを推理させたりと、アドベンチャー要素が非常に強い。

特に3幕と4幕では「メロピデ要塞」という監獄マップを探索させられるんだけど、ワープがある場所も限られていて、ほぼずーっとマップを走り続けることになって怠かった...。

ちなみに「メロピデ要塞」にはカードゲームプレイヤーがかなりいるという...(どんな監獄だ)。「カードゲーム好きって、ミントみたいにどこにでも生えてるよな。」というパイモンのセリフには笑ってしまった。今更だけど、このゲーム中のプレイヤーがメインストーリーとは全く関係なく(ときにはメインストーリーに絡む形で)、カードゲームやりまくってるというのは「FF8」とか「FF9」リスペクトだったりするのかなと、ふと思った。

魔人任務を進めて行くと、「フォンテーヌ」という国の存亡にかかわる事象が明らかになっていくのだけど、それへの対応策が4幕終わるあたりで仄めかされる。

今の七神の権能は、その「奪った」力によるものだ。

ここまで、4幕までは本当に次の5幕までの前振りでしかない。5幕で明かされる事実がフォンテーヌ編を感動的なものにしている。

この5幕で狂言回しとして、今まで何があったかを主に解説してくれるのは水神の神格たる「フォカロルス」でありながら、何より焦点が当たるのは500年という長い期間を水神として演じきった人格「フリーナ」だ。最後に旅人に本音を吐露したかったのか否かというカットバックには胸を打たれた。

しかしすべてが無事に収まって5幕の終盤にパイモンが述懐する。「神として自分を犠牲にして、人間としては五百年もつらい思いをしながら生きて・・・それってホントにあいつが望んだことだったのかな?」...と。5幕をやり終えて、プレイヤーに一番残っているのはこういう感傷だと思う。自分もそうだった。でも何回か「フォカロルス」と「ヌヴィレット」のやり取りを見ているうちに考え方が変わってきた。「ヌヴィレット」が言う「五百年まえから、今の今まで・・・それほどのことをしてきたのは、すべて・・・「自らを犠牲にする」、それだけのためだったのか?」というセリフに対して、「フォカロルス」が返す「そんな風に考えたことはないよ。それどころか今は・・・天理を騙せたことにすっごく満足してるんだ。」という言葉に嘘は全くないというのが腑に落ちた。というより、純粋精霊として人間にあこがれてきた「フォカロルス」の、天理をだますために脚本を書いて、自らも処刑される水神を演じて、「ヌヴィレット」や「フリーナ」をキャスティングして...と、そういった芸術家としての側面を全く見ていなかった。全身全霊を掛けて臨んだ舞台が、まさにその目的を達成することができた。自己表現として、本当に満足のいくものだったはず。感傷というより、その緻密な計画とそれを達成させた狂気的な執念に心を打たれたのだと思う。そして、その同じくその舞台に立って演じきった仲間へのいたわりに。

水龍 水龍 泣かないで

普段、声優さんが演技付けてくれている音声は割とスキップしてしまうのだけど、今回のイベントでは全部聞きたくなってしまった。フリーナ役の水瀬いのりさんの演技が素晴らしくて、「フリーナ」と「フォカロルス」と「素のフリーナ」という演じ分けに聞き入ってしまった。「神の演技」と「神そのもの」と「人間」という三様がきちんと伝わってくる。

「フリーナ」がイベントムービーの終わりに見せた後姿はこれが『原神』のエンディングだといわれても納得してしまうような清々しさで、大団円を迎える。

Fin

というわけで、大満足のフォンテーヌ編でした(まだもう1幕続くだろうけど)。『原神』のストーリーテリングが極まったように思わされて、この先もまだまだ楽しみだ。ここまでは既存の配布イベントを消化するのにカツカツとしていたので、これからは横並びになってマイペースで新しいコンテンツを楽しみたいと思う。

伝説任務

フリーナの伝説任務で描かれるその後も良かった。神であるどころか「神の瞳」すら失ってしまったフリーナがどのように生活しているのか。

...なんか想像通りの生活力で、一人暮らししているみたいで良かった。

おおお、ニートみたいな孤独な生活してるみたいだな。イメージ通りだ。

自分を見て芝居を志した劇団長の死の真相を、同劇団員と共に探っていくというのが大まかなプロットなんだけど、舞台を降りたフリーナがその団長に向けて抱く思いや発言がすべて自分に返ってくるという構造が美しい。そして死んだ劇団長が華やかなその舞台上の表現を成立させていたものの重さを劇団員たちが担えなくなってしまったというそもそもの物語の発端をその団長の重みをひしひしと感じさせてくれる。

あと何気に500年生きている元スター俳優というフリーナのバックボーンが要所要所から滲み出ているのが良い。ただのニートじゃないんだよ、フリーナは!

劇団長そのものであるという、作中劇の主人公である「コリオ」はまた、ヌヴィレットやプレイヤーからすればフリーナそのものでもある。

その「コリオ」が光り輝ける理由を聞かれて、フリーナは以下のように答える。

歌劇というフィクションを通じて、かたくなに自分を押し殺していたフリーナの本心が垣間見えるのが大きなフックになっていて、おそらくそういった虚構を通してしか近づけないし、表に現れないものをきちんと掬い取れているのがこの任務の美しさなのだろう。それでいながら合間に稽古に興じるフリーナの楽しげな姿が実に印象的だ。

また、イベントでは再度舞台に舞い戻ったフリーナを見てみたいものである。

良かったね!

同様に、現在配布されている伝説任務もすべておえて大分清々しい。ここまで本当に長かった。デートイベントの方は全然...。

探索・育成

探索もあれから大分進行して、「稲妻」の都市評判も大分進んで、現在レベル8。あと二週間くらい「討伐懸賞」「住民リクエスト」をやれば最大値まで上がりきるかなといったところ。探索率は「淵下宮」を除いて、100%になっているものの「トレジャーコンパス」を入手したら一通り、改めて回ってみたい。「雷の瞳」も全部集め終えた!「神櫻」と「冬忍びの樹」のレベルもマックスに到達。

「スメール」地方の探索もコツコツ進めていて、とにかくやたら長大な世界任務である「森林書」(ただ途中まで)と「黄金の眠り」を終えられていて、特に意識しなくても砂漠地方の下部の探索率はほぼ100%にまでなっている。

Ver4.5後半で復刻した「楓原万葉」をメインパーティーに組み込んだところ、プレイ感が一掃されて、探索においてもストレスを感じるようなことがほとんどなくなった。デバフと集敵効果がこんなに便利だとは...! 正直、いないと不便に感じるレベルで非常に助かっている。天賦レベルの育成がもうちょっと。

また『原神』のエンドコンテンツである「深層螺旋」が、ようやく視野に入って生きて、メインパーティー以外の構成も考える余裕が出てきた。「宵宮」に合わせる形で「ベネット」の育成がとりあえず完了。「聖遺物」で元素チャージをある程度もるだけで、とても使いやすくなった。

この「宵宮」「ベネット」パーティーに合うので、ガチャで確保してレベルを90に上げてから放置してた、「雷電将軍」の天賦上げと、武器「漁獲」精錬素材取得のために釣りを再開する。

もう一人合わせるとすると「香菱」かなーといったところで、こちらの育成も併せて進行中。「フォンテーヌ」任務で大好きになった「ヌヴィレット」の育成もコツコツ進めているものの、きちんと使えるところまで持っていくにはまだまだ時間がかかりそう。そして、同じく手に入れてからずーっと放置状態の「ナヒーダ」が活躍できる状態になるのもまだまだ遠そう...。