『ファイナルファンタジーIX』

2024/06/15
3年近く積んでいてswitch版の『FF9』をクリアした。
3年前に少しだけ遊んで以降放置していたんでクリアまでこぎつけられるか不安だったんだけど無事にやり切れて良かった。

プレイ時間:50時間以上
2024/5/31~2024/6/15

育成・プレイ感

FF7』『FF8』同様に、switch版には以下のような追加機能がありこれらのおかげでで大分快適に遊ぶことができた。

・高速モード

・エンカウントなし

・トランスゲージMAX

・ダメージ9999固定

これらの内で「高速モード」と「エンカウントなし」は序盤からガンガン利用した。おかげで大分快適にプレイできたのだが、逆にこれらが無い状態で1からこのゲームを遊ぶのは大分厳しい印象を持った。「トランスゲージMAX」はそもそもトランスする旨味が、序盤~中盤除いてそこまでないので、利用しなかった。また「ダメージ9999固定」も同様で、終盤にはほとんどのキャラクターで9999ダメージを叩き出せるので裏ボス戦などでも利用機会無し。

そう、『FF9』には『FF7』『FF8』みたいなラストボス~裏ボスのインフレした異常なHPの敵キャラがいなくて、ゲームバランスはとてもやさしい。その為か、『FF7』における『ナイツオブラウンド』や『FF8』における『連続剣』のような、プレイヤーキャラクター側にも1ターンに何回も攻撃できる技がほとんどないんだよね。

PS版で遊んでいた時には、本当におぼろな記憶なれど、撃破できていなかったんじゃないかな...今回のプレイでは裏ボスである「オズマ」も見事に倒せた。

メンツはラストダンジョンに挑んだメンバーそのまま。5~6回挑戦したけど、普通に勝ててしまったんでちょっと拍子抜けしてしまったくらい。

上記メンバーの「フライヤ」は「竜の紋章」という技で、今まで倒してきたドラゴン族のモンスターの2乗ダメージを固定で出せるため、割と簡単に(特に高速モードを利用すれば)9999ダメージを毎回出せるようになる。また「クイナ」も同様で、ミニゲームのカエル取りで取得したカエル×クイナのレベルが固定ダメージとなる青魔法を使えるので、これで9999ダメージが固定となる。「エーコ」もまた、聖属性攻撃力を上げる装備品で「ホーリー」や召喚魔法の「マディーン」で高ダメージを狙える。唯一、攻撃手段の向上が難しいのが主人公であるジタンで、「盗賊のあかし」という技で盗みに成功した回数に応じて固定ダメージを与えられるものの、この盗みの回数を稼ぐのが非常に手間。ゲーム開始当初から、ずーと繰り返し続けてようやく普段使いできるレベルに達すると思う。

ラストダンジョンの攻略に取り掛かり出すまで、完全に忘れてしまっていたんだけど『FF9』のキャラクターステータスの向上には、レベル上げ時の装備品による補正がとても重要になるので、育成にこだわる場合はこの補正値が良い武器(ある程度終盤にならないと手に入らない)を手に入るまで低レベルクリアを要請されるという仕様があったのを思い出した。ただ上述のように、基本的にこのゲームの難易度は低いので何も考えない育成でも十分に裏ボスの撃破までいけたので、本当にやりこみ派向け。それでもキャラクターによっては、利用するステータスとそうでないステータスがはっきりしているので、頭の片隅にでも置いておくといいかもしれない。

CRPGって、これ以前のTRPGにおけるここら辺の数値の割り振りが面倒くさいところを自動化できるという利点があるものというようなイメージなんだけど、次の『FF10』のスフィア版を利用したレベル上げシステムしかり、ちょっとずつ逆行(混交?)している感がある(といって、TRPGもろくに遊んだことないんで、かなり適当なこと言っている)。実際に『FF10』はPS2の頃にちらっとプレイして、その面倒くささに耐えられなくなって序盤で辞めちゃったんだよな。こちらもswitch版を積んでいるので、早く遊ばねば...。

このレベル上げの仕様を思い出して把握できたあたりから、うっすらとPS版でやりこんでた時のことを思い出してきた。確か対「オズマ」戦に向けて「サラマンダー」のレベル上げとステータス向上に勤しんでいたという記憶がある。『FF9』はレベルカンストさせても、ほとんどのキャラクターのHPが9999までいかない。かつ、大抵のキャラクターの攻撃も最終的に9999まで出せるので、対「オズマ」戦に関してはHP量が重要になってくる。そこで、そのHPの数値が上がりやすい「サラマンダー」の育成をしていたんだ。もちろん、自分はそこまで徹底できるようなガチ勢ではなかったので、小学生の頃の自分は、「アルティマニア」という攻略本を読みながら、次のプレイの時はこんな育成したいなー、みたいな妄想を延々していてそれが非常に楽しかった。ただ結局、妄想どまりで2週目まで遊ばなかったとは思うんだけど、それでもふと完全に忘れてしまっていながら、とても良い思い出として残っている。子供のころから本は好きだったんだけど、一番繰り返し読んでいたのって、この「アルティマニア」シリーズの『FF8』と『FF9』とか、初代ポケモンの攻略本とかなんだよな。今回、あらためて本棚の奥から引っ張り出してきて妙に感慨深くなってしまった。

破れてしまったページ

セロテープによる補強

興味深かったのは、「アルティマニア」の冒頭に以下のような記述があったこと。

それでは、ファイナルファンタジーⅨ Online ULTIMANIA じっくりとご覧いただきたい

もともと、当時プロデューサーの坂口博信氏の要望により、攻略本の出版はなされていなかったとのこと。そこに、あるときインターネットサイトでの攻略サイトの話が持ち上がってきたという。文章は2000/12/29、とある。

自分はこの頃にはインターネットを利用していたと思うが、ゲームの攻略情報なんかにもアクセスしていたかどうかはかなりおぼろ...。ただ、こんな時期からサイト版と書籍版の攻略情報分野での相克があったということで、また現在もそういった攻略サイト運営は攻略本を作っていたような企業が行っているのかなという事に今更思い至った。その後1年少したった2002/2/28も出版されたのが、今読んでいる紙版の「アルティマニア」であるという変遷があったということに、当時は全く意識していなかった。思わぬ発見だった。

イベント

やれる限りのイベントを消化した。

チョコボ関連(ここほれ!チョコボチョコボのお宝さがし)

チョコボのほっと一息、だけなぜか指定されている21カ所を訪れても完了されず、なんかやってもそうなのでバグかなんかと判断。しょうがない。「高速モード」でここほれ!チョコボができたのが、だいぶ時間の短縮になって、これらの任務の攻略には5時間ほどだけで済んだ。

・モグネット

・カエルとり

・オークション、わらしべ長者

オークションイベントではFF最強防具の一つ「リボン」が複数手に入れられるものかと勘違いしていたけど、一回入手してしまうともう手に入らないのね...。

・精霊モンスター

・ステラツィオ

・トレジャーハンターランク

多分、取り残しもいっぱいあったものの、特に厳密にプレイしなくても最終的にランク「S」を獲得。

・腕試しバトル

 

逆に以下のイベントや収集要素には触れられなかった。残りの人生であと一回は『FF9』を遊ぶ機会があるかと思うので、その時にはきちんと回収したい。

・カードゲーム

対人戦をほとんとやらなくても、敵が落とすのと宝箱やイベントから入手できるものだけで、全100枚のうち50枚近くは収集可能。

・〇×クイズ

何回5回程度はクイズを出題してくるラグタイムマウスに遭遇できたもの完全に運なので面倒くさくなってそこで終了。

・コーヒー豆

ブルマンコーヒーの取得タイミングが限られてしまう。トリノでカードゲーム大会が開かれているタイミングしかないので、これを見逃してしまい未達成。

・ナワトビ

こちらもタイミングがシビアで面倒くさくて進めなかった。

・チャンバラ

ゲーム冒頭で最初に行うミニゲーム。頑張れば、ゲーム内で取得できる個数に限りがあるムーンストーンが手に入る物の別途入手は出来るのでそこまで惜しいものではないかな。

・狩猟祭

何も考えずにやっていきなりジタンが倒されて終了した。...ものの、多分景品考えるとそれで正解。大正解は、フライヤとジタンともに失敗することみたいなので、そこまでやってもいいかもしれない。

・発掘

これもスルー。取得できるアイテムはとくに高レアリティの物もないし。

・かけっこ

これはビビがプレイアブルな状態のときのみ実施可能。レアカードが手に入るのでコンプリート目指すならきちんとやるべきだった。

・シャッフルゲーム

こちらも期間限定でおこなえるミニゲーム。商品はギルのみなので特にやらなくても良い。

ブラックジャック

ゲームクリア後エンディング画面でコマンドを入力すると遊べる。switch版だとクリアしたタイミングで、ギャラリーと一緒にスタート画面から遊べるようになる。

アレクサンドリア城のダンタリアン戦

・デザートエンプレスにて、最初のマップで火をつけることによって入手できる宝箱(初回プレイ時のみ可能)

・ギザマルークの洞窟にて、ギザマルークのベルを使って開けた先にある宝箱。(ベルに限りがあるので考えないと全部扉を開けない)

 

ストーリー

今作主人公のジタン君は、過去二作のスコール、クラウドとは雲泥で本当に他人に気を使える。この二人の野村哲也っぽさが『FF』らしさとしてのイメージになっているので、それと異なるジタンは『FF』っぽくないようにも思えるんだけど、『FFⅥ』のロックとかエドガー合わせた感じにも受け取れる。まぁ、とにかく新鮮だった。画像は、ジタンのお膳立てで言うべきことをきちんと言えているビビ。大人として立派だよ。

作中の「トレノ」では、カードゲーム専用のステージがあったり、ストーリーを進行するのにカードの試合をすることが必須の場所があったりと、TCG要素が前作以上に全面に出てきているように思える。ただ、正直、初回プレイの時も今回もそうなんだけど、ルールが煩雑かつカード同士の戦闘がかなり理不尽であまり気軽に遊べる感じではなく『8』の頃ほど夢中でハマれなかった。このころの遊戯王ポケモンカードの盛り上がりとリンクして作中でカードゲームの大会まで開かれてしまうあたりに同時代感を凄い感じる。当時、TCGというのは間違いなく自分にとっては時代の最先端だった。ローティーンだったけど、ロックやらテレビやらが、完全に上の世代の物である中で、数少ない若者文化だった気がする。

カードゲームスタジオ

終盤になると、ジタンが「ジェノム」という人造人間であるという事実と、この惑星である「ガイア」出身ではなく「テラ」出身であるという事が判明する。ここら辺のこの星ではない、人類ではない出自であるというのは『FF7』のセフィロスを思い出すものの、ジタンはそこまでアイデンティティーの崩壊に悩んでいるような感触は受けない。それは勿論、ジタンの生来の気性もあると思うし、冒頭から終始そばにいて悩み続けていたビビや仲間の存在があったからだと思う。「ジェノム」とかビビ達「黒魔導士」周りのテキストが『FF9』の格を一気に上げているように思う。アイデンティティに悩む中で、ポッと出てきた言葉がどれも非常に印象深い。生と死という大仰でありふれたテーマながらそれがストレートに伝わってくる。

最後の最後にラスボスと思われた「クジャ」を倒した後に「永遠の闇」というのが唐突に出てきてよくわからなかったんだけど、下記の動画を見てようやく理解した。

www.youtube.com

この動画に限らず、RPGガチ勢のやりこみ具合はすさまじいな。そして、詩情も感じる。

「そんな子供の頃の忘れ物のような記憶を呼び覚まし、ひとつでも消化させられるように頑張るので今回もよろしくなんだぜ」

この倒された時に言うセリフにはこんな意味があったのか...。

そして、超有名なジタンのセリフが飛び出してきた後に、ビビのモノローグに合わせて大団円へ。文句なく感動できる。

誰かを助けるのに理由がいるかい?

会わせてくれ、愛しのダガーに!!